ペーパーフィルターの湯通し(リンス)には効果があるのか

ペーパーフィルターにお湯を注ぐ行為、通称「湯通し」(「リンス」と言う方もいますね)。
所説ありますが、ペーパーフィルターに含まれる「臭い」を取り除くために、お湯でサッと洗い流す意味合いがあります。
今回は実際に湯通しをしたペーパーフィルターと、湯通しをしていないペーパーフィルター、それぞれ同じ条件でドリップをし、比較検証してみました。
湯通しをすることによって味わいにどのように変化がでたのか、検証結果を交えながらまとめました。

なぜ湯通し(リンス)するのか。

ペーパーフィルターには白いタイプと茶色いタイプがあります。
茶色のペーパーフィルターは無漂白なので、「エコ」「安全」といった魅力があります。
ただしこの無漂白タイプ、樹木の成分が強いので特有の紙臭さがあり、コーヒーに臭いが移ってしまうと言われています。
あと、漂白剤を使わないことで製造工程が多くなるそうで、そのせいかお値段が少し高め

白いペーパーフィルターは漂白加工されていて、無漂白タイプに比べると紙臭さが少ないことがメリットです。
ただし、一昔前までは「塩素漂白」が主流だった為、紙臭さは無いけど漂白臭さが気になってしまう代物だったんですね。

そこで、コーヒーを抽出する前に一度お湯でフィルターを洗い流し、コーヒーへの匂い移りを防ぐ方法として「湯通し」が行われるようになりました。

ちなみに白い漂白タイプのフィルター、ここ最近市販されているものは酸素漂白タイプが主流です。

「酸素漂白」は「塩素漂白」に比べて、漂白臭さがかなり抑えられています。
なので以前より湯通しをする人は少なくなった様に感じます。

ただし、ペーパーフィルターを袋から開けたまんま放置すると、空気中の匂いを吸収してしまうので保管方法には気を付けましょう。

湯通しのメリットとデメリット

湯通しをするメリットは、ペーパーフィルターの紙臭さや漂白臭さを洗い流すことですが、逆にデメリットはあるのでしょうか。
この湯通しの考察は昔から色々な人がしてきているのですが、いくつか湯通しの見解で面白そうな内容がありましたので、ピックアップしてみますね。

  1. 蒸らす時のガス抜けが悪くなる
  2. 油分が弾かれ淡白な味になる

1.に関してですが、コーヒーを抽出する際に「蒸らし」という工程があります。
蒸らしの時にはペーパーフィルターとドリッパーの隙間から、炭酸ガスが放出されるのですが、
湯通しをするとリブとフィルターが密着してガスの抜けが悪くなり雑味が出てしまうという見解。

2.に関しては、コーヒーが持つ「油分」=「コーヒーオイル」にはコーヒーの香味が含まれていますが、
湯通しをするとフィルターには先に水分が吸収されているので、コーヒーオイルが通り辛くなるという見解。

どちらも湯通しのデメリットとして捉えられる見解ですね!
確かに酸素漂白のフィルターを使用すれば湯通しするメリットもあまりなさそうです。
しかしながら、未だ湯通し推奨する方がいるのも事実。
こういう場合は、両者を同時に比較してみるのが一番手っ取り早そうです!

湯通しアリと湯通しナシで飲み比べてみる。

まずはフィルターをセットします。
ペーパーフィルター湯通し実験

もちろん、温度やその他条件は変えずに淹れていきます。

ドリップポットと温度計

 

ちなみに今回検証に使った豆は、普段から飲み慣れている深煎りのブレンドです。
フルシティロースト

それでは比較していきます!

抽出スピード

予想では湯通し”アリ”の方がサーバーに落ちるスピードが遅いと思っていましたが、実際はほとんど抽出スピードは変わりませんでした
「湯通しすると、抽出に時間がかかる」と予想していたのですが、ここでは違う結果になりました。
むしろ今回は湯通し”アリ”の方が若干抽出スピードが速かったです。

ちなみにドリップ後のフィルターですが、湯通し”アリ”はフィルターがコーヒーを吸い上げていないのがわかります。

ペーパーフィルターの湯通し比較
(左:湯通し”アリ” 右:湯通し”ナシ”)

これが味にどう影響してくるのか楽しみです。

見た目

ペーパーフィルター抽出
透明のカップに注いで比較してみました。

が、残念ながら見た目に差は出ませんでした。

香り

蒸らしの時には湯通し”ナシ”の方が香りが強かったです。
上述した、『湯通しするとガス抜けが悪くなる』という見解は当たっていそうです。

湯通し”アリ”は湯通し”ナシ”に比べて、すっきりとした仕上がりでした。
しかし悪い印象ではなく、クリアで低刺激まろやかな口当たりで個人的には好きです。

逆に、湯通し”ナシ”はコーヒーの持つ風味をダイレクトに感じさせてくれ力強い味わいでした。
ただし、飲みたいコーヒー豆の状態や特徴を理解していないと嫌な味わいもダイレクトに出そうです。

ちなみにどちらも紙・漂白臭さは感じませんでした。

まとめと考察

実際にそれぞれをドリップし、飲み比べてみた結果と考察をまとめてみました。

湯通しをした場合

  • 雑味や刺激は出にくい。
  • そのかわりに少々インパクトに欠ける味わい。
  • 少し古くなって扱い辛いコーヒーを飲みやすくする為や2杯目、3杯目にサラッと飲みたい時にはお勧めしたい淹れ方。

 

湯通しをしない場合

  • コーヒーそのものの深い味わいが楽しめる。
  • ドリップに自信があれば、好みの味に調整もできる。
  • その分、条件が合わなければ雑味・渋み・刺激性のマイナス要素も味に反映され易い。

コーヒーのドリップは扱う器具からその人の癖まで含めたら、十人十色で”正解”はありません。
むしろ試行錯誤しながら味わいを追求していくのが、コーヒーの楽しみ方の一つでもあります。

コーヒーフィルターの湯通しに関しても、”する”も”しない”もどちらが正しいとかではなく、あくまで『選択肢のひとつ』にすぎません。
もし、コーヒーの味わいで悩むときがあったら「そうだ、湯通ししてみたらどうだろう」と、当記事の内容を思い出しいただけたら幸いです。

※こんなフィルターの検証もしてみました↓

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